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犬の脳の病気 水頭症(すいとうしょう) |
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犬も人間と同様に、健康な状態の脳の周りを脳脊髄液といわれる溶液で満たされています。
その量は常に一定に循環しています。
しかし、脳が損傷したりして循環している経路がふさがってしまったり、何らかの影響で脳脊髄液が多く分泌されたりすると、頭蓋骨の内部にある脳室という空間内に一定ではなく増えた分、脳圧が高くなり、さまざまな神経症状が出るのが水頭症という病気です。
脳脊髄液の流れが滞って過剰に貯留する閉塞性タイプと、脳細胞が何らかの原因で破壊されたり、発育しなかったりした部分に脳脊髄液が貯留する代謝性タイプがあります。
さらに、先祖から受け継いだウイルス感染や他の要因による発育不全などの先天的な原因や、頭部の外傷、ウイルス感染による脳炎、脳腫瘍などが原因となる後天的な原因によって起こることもあります。先天的な原因による水頭症は、ミニチュア・ダックスフンド、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、パグなどの小型犬種に多く見られ症状のようです。
病状のチェック |
脳脊髄液がどの部分の脳室を拡大圧迫するかで症状の出方にも違いがあります。
たとえば、犬の後頭部側にある大脳皮質側の脳室が圧迫されるケースでは、人間と同様に痴呆症になったり、体が麻痺するなどの感覚が衰えて鈍くなって、声を出して呼んでも反応しないなど、動作が緩慢になる傾向があります。
同じく後頭部の大脳辺縁系のトラブルでは、今まで攻撃的だた犬がおとなしくなったり、おとなしかった犬が攻撃敵になったりといった性行動に変化が見られるケースがあります。
犬の脳の中心部分にある間脳の視床下部に障害が発生する場合には、ホルモン分泌が通常のように行われずに、普段よりもガツガツと食事を食べたり、逆に食べなくなったりといった症状がみられます。
診断と治療 |
飼い主から現状の症状を聞いた上で、水頭症ではないかと判断した場合に、頭部X線検査をします。X線検査で脳室内に溜まった脳脊髄液の位置などで判断します。
水頭症と診断された場合には、まず脳脊髄液で圧迫されている脳室の圧力を下げるために、副腎皮質ホルモン薬や降圧利尿薬などを投与して、現状の犬の状態を少しでも良くする方法がとられることが多いようです。
この病気の場合には完治することが難しいので、再発した時には同様な方法を繰り返すことになるかもしれません。
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